開幕6日目の夜

MORSEの幕が開いた。

発表されてから長かったようで短かった。でもやっぱり長かったかな。

 

夏の予定がなかなか出なかった。メンバーも「夏は暇」とか言うし、結局何年かぶりに松竹座に通わない夏が来た。日生に通わない秋も来た。だから何か思い出を作りたくなって友人と思い切って海外旅行を申し込んだ。その直後に発表されたMORSE。結局すぐにCXLしてしまった。

 

ずっとずっと、楽しみにしていた。

 

前はそんなに拘りが無かったのに、いつからか初日という特別感がすきになって、今回も初日に足を運んだ。(当ててくれてありがとう~)

わたしが着いたころにはもうロビーの開場が始まっていて物販も始まっていた。

ロビーは賑やかだったけど、どこか緊張感が漂っていた気がする。わたしも緊張していた。初主演・初座長・初日。初が3つ揃う日は今日しかない。

 

5分前にブザーがなって注意アナウンスが流れる。

まだ客席はざわざわとしていた。

ゆっくりと客席は静まって、BGMでもあるフクロウの声と風の音が響いた。

 

1か月間だけのMORSEの世界がはじまった。

 

まだ始まったばかりだから、すべての感想は言えないけれど、

幕が開いて最初にオスカーが出てきたときに素直に「あ、オスカーだ。オスカーがいる。」って思った。素直にそう思った。

MORSEが始まる数週間に友人とグローブ座に看板を観に行って、その時に看板の前で小瀧くんはどう12歳のオスカーを表現するのだろうかって話をした。例えばなにわ侍のときは最年少感を出すために手振りをつけたり喋り方を少し幼くしている印象があったので今回もそうなのかな、そうではなくて違う形で表現してきたらかっこいいよねって。上から目線だけど、そんな話をした。

でも、最初に出てきた瞬間から、雰囲気というか、空気というか、うまく言えないけどとにかくオスカーがそこにいてドキッとした。始まって数秒のことだし大袈裟だって言われるかもしれないけど本当にその瞬間、もう想像を越えてきた。またいい意味で裏切られたって。


ステージ上にはずっとオスカーがいて、最後に座長として真ん中に立って三方礼する姿に初めて「小瀧くん」を感じた。

 

この数か月いろいろあった。いろいろと、考えた。冷静にいようって何度も自分に言い聞かせて、だけど、悔しくてたまらないときもあった。叫びたかった。何を知っているのって。(もちろんわたしも何も知らない)でも、気持ち悪い言い方かもしれないけれど、すきは加速する一方で止まらなかった。

わたしは、日々変わっていく、人間らしいひとがすきだ。

 

オスカーは一か月限りのいのちしかない。これから先もいろんなひとがオスカーを演じるだろうけれど、いまのオスカーに会えるのは現在しかない。オスカーだけじゃなく、エリも、ホーカンも、みんなみんな。

この一か月を後悔しないように生きて、そこに、わたしに、ステージに光を差し込む光を一瞬でも見逃さないようにしたいと強く思った。

 

「オスカー、約束して。光を入れて、正しい世界を生きる。」

 

そんな、開幕6日目の夜。